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金沢21世紀美術館

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EXHIBITION展覧会

特別展示:マシュー・バーニー

2022年5月21日(土) -
2022年9月11日(日)

インフォメーション

期間:
2022年5月21日(土) 〜2022年9月11日(日)
10:00〜18:00 (金・土曜日は20:00まで)
会場:
金沢21世紀美術館
展示室2
料金:
一般 450円(360円)
大学生 310円(240円)
小中高生 無料
65歳以上の方 360円
※( )内は団体料金(20名以上)
※本展観覧券は同時開催中の「コレクション展1 うつわ」(対象期間:5月21日〜9月11日)との共通です。
休場日:
月曜日(ただし7月18日、8月15日は開場)、7月19日(火)、8月16日(火)

市民無料の日:
美術奨励の日:会期中の毎月第2土曜日(6月11日、7月9日、8月13日、9月10日)
金沢市民の方は本展を無料でご覧いただけます(要証明書の提示)
お問い合わせ:
金沢21世紀美術館 TEL 076-220-2800

概要

マシュー・バーニーは、彫刻と映像の密接な関係を通して、身体感覚とバーチャルな情報感覚の融合を試みる、21世紀を代表する世界的なアーティストの一人です。1980年代より彫刻、映像、パフォーマンス、またそれらを融合させた作品を多く手がけ、現代美術の分野において注目を集めてきました。
本展は、バーニーが1980年代後半より制作を始めた、主にドローイング、映像、彫刻から構成される『拘束のドローイング』シリーズの9番目の作品《拘束のドローイング9》を中心に、同作品映像やモチーフ、登場人物などを紹介する関連作品を展示します。
《拘束のドローイング9》は、2005年に金沢21世紀美術館で開催されたバーニーの国内初の大規模個展において、シリーズ新制作として世界初公開されました。捕鯨や茶道といった日本文化をテーマに、映画、彫刻インスタレーション、写真など多彩なメディアで展開される本作品は、日本を中心に撮影され、日本文化に対する新鮮なヴィジュアルの解釈がなされています。アイスランド出身の音楽家ビョークが映画音楽と展示インスタレーションの音楽を担当し、映画においても共演するなど、話題を呼びました。
そのタイトルから連想されるように、『拘束のドローイング』には、ドローイングを行う際に身体に拘束、制限を与え、そこから生まれる未知の形に挑戦するという意味があります。公開から17年を経た現在においても、人間の身体とそれを取り巻く世界、あるいは身体内での活動、エネルギーの問題を主題とする作品に込められたメッセージは私たちの心に強く響きます。本展を通じ、普遍的なテーマである人間の身体と環境、その関係性における作家独自の視点とその作品世界をお楽しみください。

関連プログラム

金沢21世紀美術館友の会 スペシャルプログラム「特別展示: マシュー・バーニー」 長谷川祐子館長によるギャラリーツアー&レクチャー
期間:2022年9月10日(土)18:00〜19:00(受付17:45より)
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
定員:30名程度(先着順、定員に達し次第締切)
料金:無料(要会員証提示)
対象:金沢21世紀美術館 友の会会員

映画《拘束のドローイング9》のストーリーとは

《拘束のドローイング9》は、会話のない映画作品で、映像と音楽が織りなすオペラのような抽象的なおとぎ話です。日本のとある石油精製所を舞台とし、大量の高温ワセリンを積んだタンカーが、様々な動物に率いられた行進とともに巨大な捕鯨加工船が停泊する港に到着します。甲板上の巨大な鋳型にワセリンが流し込まれ、数週間にわたって次第に凝固していくワセリンの表面は、絶えず変化する海の状態を挑発的に映します。捕鯨の技術や道具によってこのワセリン鋳造物の制作が順調に進み、南極圏で光り輝く氷山を背景に鋳型を外す作業が始まる時、物語はクライマックスに達します。船の第二甲板では、日本の伝統的な衣装をまとったバーニーとビョークふんする外来の男女が茶会に招待され、恋仲となる中、茶人の伝統的で無駄のない所作が続いていきます。船の航行とともに、徐々に室内に満ちる温かい液体が二人を包み込み、その姿がゆっくりと白い鯨になるところで、物語は鮮烈で美しい最後を迎えます。

作家プロフィール

マシュー・バーニー Matthew Barney

1967年サンフランシスコ(米国)生まれ、ニューヨーク在住。
1989年イェール大学で医学を修めた後、美術と体育を学ぶ。フットボール選手の特待生やファッション・モデルなど多彩な経験を経て、1991年サンフランシスコ近代美術館での個展以降、映像と彫刻を中心に活発な制作活動を展開。彼の彫刻作品は、整形用の強化プラスチックやシリコンなど独特の素材から構成されることが多く、また映像作品では、緩慢な編集と高揚感のある音が独特の重厚な雰囲気をつくりあげている。代表作に体の内と外で起こっていることをテーマにした映像作品「クレマスター」シリーズがある。
1993年ヴィネチア・ビエンナーレアペルト部門で「ヨーロッパ2000」賞を、1996年にグッゲンハイム美術館の「ヒューゴ・ボス」賞を受賞。主なパブリックコレクションにダラス美術館、シカゴ現代美術館、ニューヨーク近代美術館、テート・ギャラリー、ホイットニー美術館、ソロモンR. グッゲンハイム美術館。

主な展示作品

マシュー・バーニー《拘束のドローイング8:誕生の裂片》2003
グラファイト、水彩絵具、ワセリン、紙、
ポリカーボネート製フレーム、ナイロン繊維、アクリル、ヴィヴァック
H91.4×W162.5×D104.1cm
金沢21世紀美術館蔵 © Matthew BARNEY

《拘束のドローイング8:誕生の裂片》(当館コレクション作品)

本作品はバーニーの代表的なシリーズ作品『拘束のドローイング』のうちの1点です。ドローイングを行う際に身体に拘束、制限を与えるという意味のタイトルからは、人間の身体とそれを取り巻く世界、あるいは身体の内部での活動やエネルギーといった普遍的なテーマを扱うシリーズであることがうかがえます。透明なアクリルでできたテーブル状のケースの中にはポリカーボネート製のフレームがあり、その中にはワセリン、グラファイト、ドローイングが収められてますが、これは、受精の後、最初に起こる細胞分裂による亀裂、すなわち「誕生の裂片」をイメージしたものです。小さな裂片から繰り広げられる壮大な世界が、バーニー独自の造形言語によって展開される重厚な作品です。

マシュー・バーニー《日新丸のキャビネット》2006
ポリカプロラクトンと熱可逆性と自己潤滑性プラスティックの鋳造、
アクリル製ヴィトリーヌ
138.4×137.5×168.9 cm
© Matthew Barney

《拘束のドローイング9》 関連作品
《日新丸のキャビネット》 他

《日新丸のキャビネット》は《拘束のドローイング9》のキャラクター・ガラスケースとしての役割を果たすもので、同映画作品に登場する捕鯨船「日新丸」は、場所であると同時にキャラクターでもあります。すなわち、ガラスの陳列ケースに入った本作品は、映画の中の特定のキャラクターのポートレートであり、キャラクターと場所とのつながりをつくり出すものでもあります。本作品の他、同映画に登場する人物や特定のシーンを映した画像作品6点を展示します。

主催/ほか

主催:
金沢21世紀美術館[公益財団法人金沢芸術創造財団]